「母乳で赤ちゃんを育てようと思えば、出生直後より5〜7%程度の生理的体重減少が起こります。生後3、4日目頃に底打ちし、出生体重に戻るのに大体10日前後掛かります。近頃は母子ともに問題が無ければ、退院は経産婦で産後4日目、初産婦や帝王切開で産後5日目なので、やっと底打ちして上向きになる頃、退院になります。退院後1週間健診で出生体重に戻っていれば、概ね順調です。」プレママさんにはこんな風にお話しして、イメージを持って頂きます。
現実はかすみが仕事してる近隣の産院で産まれた赤ちゃんは、入院中にガンガンと人工乳を飲んで帰って来るもんだから、入院中に殆ど生理的体重減少を起こさず、退院時にはとっくに出生体重を上回って帰って来ます。下手したら、生理的体重減少が一切無い赤ちゃんも大勢います。
24時間完全母子同室なら、入院中に自分の赤ちゃんが1日どれ位の人工乳を補足されているか把握できます。だって、補足するのは自分しかいませんから。
でも、そうで無い場合、1日総量を把握仕切るのは至難の技です。「お預かりしてる間に泣いてたから足しておきましたよ!」と。『あれ?さっきも看護師さん、そう言って無かったかな?』みたいな事って、結構あります。お腹が空いている訳では無い、不安で抱っこして欲しくて泣いるのに、泣く度にミルクを貰う、終いにミルクの飲み過ぎでしんどくて泣いてる、でもまたミルクを貰う、吐く、泣く…みたいな。
退院してからの参考の為には、最終日位は「私の見てない所でどれくらいの人工乳を飲んでいるのか知っておきたいので、逐一教えて下さいね♡」と、友好的にスタッフに伝えておくと良いですよ。
よく有り勝ちなのが、退院後『ま〜これ位だろう』と思って、或いは缶に書いてある補足量の目安を参考にして足していても、体重がちょっとずつ減るんです。或いは一向に増えないんです。だって入院中はお母さんが知らないだけで、もっともっと大量に飲んでたんだもん。でっ、退院後1週間健診。体重が全然増えてない、助産師さんに「この時期に体重がしっかり増えないと、脳に栄養が行き渡らなくて云々」と叱られ、不安になって慌てて補足量を増やす。「脳」がどうこう言われると、本当にビビっちゃいますよね。こうしてどんどん人工乳が増えて、母乳が疎かになって出なくなって終う人の何と多いことよ。
先日お会いしたプレママさんに、「生理的体重減少が無かったら何か不都合がありますか?」って質問されたんです。「母乳でも人工乳でも特に拘りが無ければ、不都合は無いかも知れません。でも若し本気で母乳育児がしたいと思っているのであれば、その場合は不都合かも知れません!」とお返事しました。体重が減らないことの裏に潜む、裏話を少々しました。
母乳が順調に出始めるには、どんなに頑張っても数日は掛かります。母子共に健康に出産を終えられていれば、それ位の猶予期間は与えられているのです。その期間は当然入院中にあたりますから、看護師さんや助産師さんの力を借りながら、見守られながら、ちょっとずつ上手になっていけば良いのかなと思います。
入院中に母子同室が可能なら、極力赤ちゃんと一緒に過ごした方が、後の事を考えると無難なのかなと思います。
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